コラム

1箇所の施設を複数人でシェアして利用してエンドユーザー様(お客様)向けにサブスクリプション(月額課金)やキャッシュレスを組み合わせてサービスを提供する一連のITシステムについて、特許を出願しています。

1箇所の施設を複数人でシェアして利用してエンドユーザー様(お客様)向けにサブスクリプション(月額課金)やキャッシュレスを組み合わせてサービスを提供する一連のITシステムについて、「CLOCK KITCHEN」運営会社であります株式会社コミュニティコムとして、2019年に特許を出願しています。

シェアキッチン「CLOCK KITCHEN」として、やりたいこととしては、(1)これから飲食店を始めたいという人が通常通り飲食店舗を開店させようとした際に必要となる一番初めの工事などの初期費用や不動産契約などの敷居が下がる(シェアキッチンを利用することでこれが一旦は無い)ことからの創業支援と、始めてから気が付く失敗を減らしてオープンして1年経たずに閉店してしまうようなお店を少なくすることと、(2)商店街のシャッターが閉まるという地域が今後増えるであろうからそういった商店街の賑わい創出コンテンツの仕組みになれば、という主に2つの目的があります。

飲食店業界について、現時点では私は素人なのですが、素人ながら調べてみて、例えば、ラーメンの一蘭の仕組み(ITシステム)や、いきなりステーキの仕組み(ITシステム)は、特許で権利化されているということを知りました。
すると、例えば、宮崎県産の料理を出すコンセプトの飲食店舗が流行って、それに近いコンセプトのお店を他の会社が始めたりしてそのブランディングが薄まったりとか、そういうことも起きづらいのだろうなと、調べてみて、思いました。
例えば、ラーメン屋さんで、仕切りがあって1人で集中して食べますコンセプトのお店ができないのは、一蘭が特許を持っているから、同業者が真似しづらいし、そういうお店が出来たら知的財産権に基づいて警告を出しているんだろうな、とか、実際は知りませんが、知的財産権としてはそのような対応が可能であると思います。例えば、いきなりステーキも、肉を目の前で切って図って焼いてそのグラム数に基づいてレジで会計をするという一連のシステムが知的財産権になっていて他社と裁判までしていましたとも、色々な本を読む中で知りました。

特許や意匠は、公知の事実になる前に出願しないといけない、ということで、初めてのことで、構想からなんだかんだ3か月くらい掛かりました。まだ出願しただけなので、この後まだ続きますが、これからやろうとしている商売について自分がこの後もし5年10年と続けることを考えれば、事業者として、商売を始める前の準備として特許出願はやっておいた方が良いだろうと思ったりで、中小企業だからこその、こういう知的財産権を考えるようになりました。
私がもともと行っていますIT事業におけるWebサービスや不動産運営事業におけるコワーキングスペースなどでも、上手くいってそうとなると、真似してくる会社や人はいますし、アイデアに法的拘束力は基本無いので当たり前かもしれませんが、特許や意匠で権利化しておいたら、他社の築いてきた上手くいってそうな仕組みを真似しづらくなりますし、少なくとも完全に同じ仕組みはできなくなりますしね。

例えば、2012年にコワーキングスペース7F(ナナエフ)を始める時、1か月半くらいでゼロから施設を作ってWebサイトも作って等、オープンまでに必要なことを全てやって、実際にいわゆるサービスローンチまでして、今に至っているのですが、今もそのスピード感は出そうと思えば出せると思うのですよね。ただ、じゃあ、それから7・8年が経って、そういうことを当時知っていたら、もっとこうしていた、みたいなことも、もちろんありまして。
ですので、今は、外部から見ると、当時よりそのスピード感が無いように見えるかもなのですが、個人的には全然そんなことは無く、事前に調べたりとか、その始めようとすることが2・3年後とか5年後とか10年後とか、業界自体だったり、自分のやっていることだったりが、仮にスケールした時に、どうなっているか?を、自分が黎明期でコワーキングスペース7F(ナナエフ)を始めて、運営8年目になっていることなどの経験から考えてしまうので、始めるまでの準備期間が長くなった、という感じなのだろうと思ったりしています。
もちろん、事前の準備と想定した未来は一致しない可能性はあると思いますが。

ということで、今まで商標の出願は自分の関わっている複数の法人で15件くらいしているのですが、特許出願は初めての経験で、時間が掛かってしまいましたが、今後は商標はもちろんなのですが、特許や意匠について1年に1件は何かは出願している事業者になりたいと思っています。
同時に、今後は何かを始める時、以前みたいにすぐに出来ないので、こういう調べたり特許出願したりの時間も見て、行動したいと思っています。
以前ならば、とりあえず始めていた自分なのでスピード感があったと思うのですが、今は色々と調べたりあれやこれやを水面下でやってから行動するに、今までの経験からなってしまって、初速が遅くなったりで迷惑を掛けちゃう機会が多いと認識していますので、そのあたりのスケジュール感をちゃんと考えていければと思っています。

出願した特許の請求項などは、通常通り1年半後に公開されるまで非公開と思いますが、実際に開始する事業についての特許なので権利化を目指しつつ特許庁に審査請求をすることになると思います。

特許と意匠は、公知の事実になる前に出願しないといけないことからあれこれ始める前にやりましたが、ということは上手くいくかいかないか分からないうちに出願しないといけないわけで、これだけやってから実際に始めてみて上手くいかなかったら、それはそれで凄いことだなと(笑)。特許を出願している会社の多くはこういう感じなのかと思うと、それも凄いことですね。

いずれにせよ、良い経験になりました。特許や意匠について1年に1件は何かは出願している人になることで、そういうことを常に考えれる商売人として、次の10年20年を過ごしていくことで、自分が居たからこの業界がこうなったとか、自分が居たからこの地域がこうなったとか、そういうことをし続けていける人でいたいと思っています。また何か思い付いたらドンドン出願していきたいと考えています。