コラム
大宮駅東口近くの、2坪のたばこ屋さん跡地で、テイクアウト専門のシェアキッチンを始めます!
大宮銀座通り商店街の大栄橋寄りにあります、見留ビルの2坪のたばこ屋さん跡地の物件を、賃貸借契約で正式にお借りしました。もともとは、ビルオーナーである見留さんがビルの管理も兼ねてたばこ屋さんを何十年も営業されていたわけですが、ご高齢ということなどもありまして、2019年に入って閉店、そしてテナント募集が出ているわけでもなく、そのままシャッターが閉まり続けている状態でした。
大宮銀座通り商店街は、商店街としての個店商店が85店舗くらいあり、電車の駅としての1日の乗り入れ乗降車数が全国ベスト20位以内、埼玉県では圧倒的に1位、という大宮駅の、人通りも多くある大宮駅東口すぐの通りでもあるので、今まで商店街の中でシャッターが閉まっているお店が1つもありませんでした。しかしながら、地権者の高齢化の問題などで、ついに、たばこ屋さんと天ぷら屋さんという2店舗が閉まってしまいました。
私もコワーキングスペースの運営を2012年に始めて、早いものでもう丸7年となりまして、私が始めた頃とは異なりその後のコワーキングスペース業界の盛り上がりとともに、より地方都市での移住定住施策や関係人口増加や創業支援や地域活性化などの目的でコワーキングスペースを作りたいという話で地方に呼ばれることも増えて、その前後の時間で色々と街の中を紹介してもらう中で、人通りも無く大半のお店がもう営業していないシャッター通りのような商店街を多く見てきました。
この時に、1つ、感じた課題がありました。それは、「人通りが無くなって寂れたからシャッターが閉まったのか」「シャッターが閉まったから人通りが無くなって寂れたのか」、鶏が先か卵が先か問題に近いですが、私は、色々と見聞きしてきて後者だと確信しています。つまり、人通りが無くなったからシャッターが閉まったのではなく、本当の一番初めは、シャッターが閉まったことがキッカケで人通りが徐々に無くなったのだと。もちろん人によって色々な意見はあるかもしれませんが、私が見聞きしてきたインプットの中ではそう考えています。
ですので、今から20年30年と経った後に、大宮東口を振り返った時に、あぁ、今思えば、あの辺りのシャッターが閉まり始めた頃から人通りが無くなって街に活気が無くなったよね、と言われる時が来ないように、仮にこんなにも良い立地で物件需要があるにも関わらず商店によくあるような別の理由によって誰も借りれずにシャッターが閉まるような日が来た時には、その地権者の意図にちゃんと添える形であるのはもちろん前提ではあるけれども、その上で、こういうことがやりたい、具体的には路面店であれば曜日替わりや時間替わりでのシェアキッチンがやりたい、みたいな話は、私たちがテナントとして入居させていただいている、私の会社が経営しているコワーキングスペース7F(ナナエフ)、シェアオフィス6F(ロクエフ)、貸会議室6Fの入っている大宮銀座ビルのオーナーでもあり、商店街会長でもある、栗原さんにはずっと話していました。
私には、もう1つ、感じていた課題感がありました。それは、大宮経済新聞と浦和経済新聞という、Yahoo!ニュースなどにもコンテンツ配信している地域の街ネタを取材してほぼ毎日で掲載しているインターネットメディア媒体を7年運営してきて、大宮という人通りが多い立地でも潰れる飲食店があまりに多い、その一方で、若い人で飲食店勤務経験があり美味しい料理を作れるスキルはあって将来は独立して自分の飲食店を経営したいと言う人と多く知り合うのにその人達がなかなか踏ん切りが付かず結局やらない人もかなり多い、ということです。
特に、脱サラして個人店で、大宮経済新聞でオープン時に取材をして、その時は夢や希望に満ち溢れて話してくれたのに、数か月後には疲れが見えていて、半年後には潰れていて、後で知ったところだと、初期投資で今まで貯めてきた1千万円以上を使っちゃって、毎月赤字で、撤退時には原状回復費用も無くて、借金だけが残って、もう連絡もつかない、みたいな不幸な例も1事例だけでなく、いくつか実際に見聞きしてきました。潰れるまでの期間は半年だったり1年だったり2年だったりしたけれども。こういう人は、私の見知っている人では、41歳の私よりも年上の人が多かったです。
これからの日本は人口が減少していくので、その分、胃袋の数が減っていくわけで、飲食業界は市場としては縮小傾向にあるはずで、人口が増えていて普通にやっていれば市場としては増加していて儲かるという時代は日本国内では終わり、普通にやっていては徐々に売上が下がるはずだというのは、当たり前かもしれませんが、それにしても、大手資本がすぐにピボットするのとは異なり、個人店で不用意に潰れる店が多いように、コワーキングスペースやシェアオフィスの運営と大宮経済新聞や浦和経済新聞の取材などを通じて感じています。
その時に、もし初期投資が掛からずに、曜日替わりや時間単位で借りられるシェアキッチンで体験していれば、無謀に始める人も少なくなるかもしれない。例えば、自分の自信のあると思っていた料理の反応を知り合いからとかではなくちゃんと商売としての反応として事前に聞けるかもしれない、1杯作るのは美味しくてもそれを1日100杯出すように作ると美味しく作れないことに気が付くかもしれない、美味しい料理は作れるが税務や会計の知識が無く収支計算ができなかったりスタッフ採用スキルが無かったりで店舗運営という観点からのスキルが足りていないことに気が付くかもしれない、自分で商売を始めて事業者になるということは会社勤めの守られていた頃と違って騙してくる人や結果的に騙されちゃうこともあるはずでそういう世界を事前に知れるかもしれない、そういうのを経験してから、微修正してから、自分のお店を開店するだけでも成功確率が上がるかもしれない、と思いました。
一方で、大宮経済新聞・浦和経済新聞、コワーキングスペース7F(ナナエフ)を運営していて、若い人で飲食店勤務経験があり料理のスキルもあり将来独立開業したいと思っているのに、何年経っても全然行動に移さない人も多く見てきました。私の中では、3年言い続けたり思ったりしていても独立開業できない人はきっとやらない、10年言い続けたり思ったりしていても独立開業できない人はおそらく一生やらない、と経験的に感じています。私は、大学卒業後は5年無職で実家にひきこもっていて、その後は、税理士法人で会計税務のサラリーマンを2年した後に、異業種で未経験のIT事業で創業して、その後も未経験の不動産運営事業関連、未経験の農業事業関連など、専業で独立開業してゼロから1人で始めてやれてこれたので、やりたいと言っている割になんでやらないのか、結局は、やるか・やらないか、だけの違いなのに、不思議でたまりません。ただ、やりたいけどやっていない人の話をよくよく聞くと、特に若い人の場合は、たいていは、資金的な面と、実績不足や人脈不足による物件との縁が無いことと、あとは、なまじ業界勤務経験があり一定の知見があることから良い意味で頭のネジが何本か飛んでいるような感じには出来ずに悪い意味で業界経験者がゆえに色々と自分の範囲内で見知ってしまっていて一歩踏み出す勇気が無い、あたりが、だいたいの理由だと知りました。
この時、まずは初期投資が掛からずに曜日替わりや時間単位で借りられれば、副業としての開業からまず始められて(私も起業のキッカケとなったIT事業は税理士法人勤務のサラリーマン時代の副業からスタートしているので)、専業になった時のイメージがより明確になるかもしれない。また、その曜日替わりが話題や人気になれば、今の時代なので、その人気が話題になり、銀行融資も通りやすく又はクラウドファンディングなどで資金調達ができたり、物件との縁も繋がりやすくなるかもしれない。(ちなみに、今回の見留ビルのたばこ屋さん跡地は武蔵野銀行大宮支店の道路を挟んで目の前です!)あと、じゃあまずは副業から始めて月20万円くらい儲かるようになったら今の会社を辞めて全力で専業でやってみようかとかの具体的な数字目標ができるかもしれないですよね。
そのようなシェアキッチンが出来たら、商店街のシャッターが閉まる店舗の減少にも繋がり、これから飲食店をやりたい人の創業支援にも繋がり、既に飲食店をやっているけれども大宮駅東口近くにも出してみたい人の誘致からの地域活性化にも繋がり、もちろん、食べるお客さんが来ることからの賑わい創出にも繋がるのではないかと、コワーキングスペース運営を通じて全国の色々な地域を見聞きしてきて、私は考えていまして、今までの知見の中で、そのシェアキッチンの運営においても、私は飲食業界未経験ではありますが、もし私だったらこうするのに、というのはずっと考えてきたので、ついに大宮銀座通り商店街にもシャッターが閉まってその後もテナント募集がされずに開かないという店舗が今年に入ってから出始めたということで、その出始めたタイミングだからこその、やれることを自分事としてやれたらと考えています。
飲食業界の素人という視点ですと、2坪という面積は、例えばイートインは絶対に無理なのでテイクアウト専門だね、でもこのタイミングなので消費税率の軽減税率で、イートインで中で食べると10%だけども、テイクアウトは8%でお得ですとかも言い切れるしとかで、色々と割り切る必要のある広さであり、逆にやりやすいのではないかとポジティブにも考えています。賃料も2坪分に対してしか掛からないですしね。金銭的リスクとしても私たちとして採算が合わないわけがなくやりやすいはずです。
あと、2坪のテイクアウト専門のシェアキッチンなので、これから飲食店をやりたいという人に貸し出す前提なのですが、私にその知見が無さすぎると上手くいかないと思うので、私も何かのテイクアウト専門で出来る飲食店を始めようと思っています。今のところ、おにぎり屋さんを私自身としても始めようと思っています。
と、長々と書きましたが、まだ物件をお借りしただけですので、設計図面をさいたま市の保健所にまた見せに行ったり(以前にも相談に行っていますが最終的なものを)、内装工事、仕組みや利用料金の確定、WebサイトやSNSアカウントの作成、さらに言ってしまえばシェアキッチンの名前も、だいたいこういう感じというのはありますが、まだ確定していませんので、それらもやりつつ、賃貸借契約で物件はお借りしているので、これからオープンできるようにと進めていく計画です。
コワーキングスペースの運営を始めた時も、不動産運営の経験が私には全く無かったので、私よりも先行していた全国30箇所くらいを見に行って運営者側の話を聞いて、その上で価格や仕組みを決めてからオープンしたので、今でもほぼ当初から変えずに、2012年のオープン初月から黒字でスタッフ数40人くらいになった今に至るまでずっとその状態で丸7年やってこれました。
今回も同じように、飲食業界の経験が私には全く無いので、今は、色々なシェアキッチンに行って、運営者の話などを聞いています。
もし、ココに行っておけ!とか、ココの運営者と知り合いだよ!とか、ありましたら、ぜひご紹介ください!